これは陸上で働く人にも同じことが言えると思いますが、船員の配乗(船員の組み合わせ)で船のパフォーマンスは大きく変化します。その最も大きな要因は船内の船員同士のコミュニケーション。これが十分でない場合は本来持っている船員の能力が0.5倍とかになることも。一方で1.5倍、2.0倍になる場合もあり、個人の成長度なども加味すると時にさらにその上をいくパフォーマンス出してくれることも。それぞれの相性なども加味しながら配乗を決定します。
多くの船員は自分自身が成長できる環境に身を置くことによって充実感を得られます。その場で活躍できる環境に身を置くことによって本人はもとより会社へのリターンも大きなものになります。
船員監督は時にスポーツの監督と同じように船員をプレイヤーのように捉え、その試合(航海)に勝っていかなければなりません。
実際に勝負を決めるのはやはり選手(船員)。いい人材を作り上げるために最適なフィールドを準備して各個人の成長を促します。
船員という職業は短期間で人材育成することができません。長い時間をかけて会社の中軸となっていきます。しかし、そのような状況であるからこそ上りえた将来の景色は格別なものとなるでしょう。
私は小さな頃からモノ作りに興味がありました。縁があって現在は船員に関わる仕事をしておりますが、人を作る(育てる)ということはモノ作りに勝るとも劣らない魅力があります。若い船員が成長していく様を一番近くで見ることができるのが、今の私の幸せと感じています。